『レーザーポインター』はどれくらい明るいのでしょうか?
よく耳にするのはレーザーのクラスⅡだとか、出力1mWとかで、これでは何が何だか??・・・では無いですか??
クラスⅡと言うのは工業標準化法で定められた日本工業規格、所謂JIS(Japanese Industrial Standard)によるレーザーの危険度のクラス分けです。
出力1mWの”W(ワット)”と言うのは熱量、仕事量の単位です。
あれ・・・?じゃあ、明るさは・・・??
知りたいのは危険度とか熱量ではなく、「どれくらい明るいの?」ですよね?
ここからは、『明るさ』に絞って具体的に説明していきましょう。
”W(ワット)”と異なり、眼に入る明るさ=照度は”lx(ルクス)”と言う単位で表されます。
(他に似て非なる輝度を表す”Cd(カンデラ)”と言う単位などがあるので要注意です。 )
レーザーポインターの照度は次の式で表されます。
照度(lx) = 波長による明るさ x 出力(W) / 照射面積(㎡)
単純に照射面積が小さければ、照度(=明るさ)が大きくなる事がわかりますね。
(照度とは単位面積当たりの明るさで、光源からの明るさの総量ではありません。)
出力や照射面積(=(ビーム径/2)の2乗)は、レーザーポインターのカタログなどを見れば載っているので、簡単に上式に代入できるでしょう。
残るのは”波長による明るさ”で、これが曲者です。
人間の眼は性質的に、出力が同じであっても波長によって感じる明るさが異なります。
各個人差や環境による変動があるのですが、これを1960年の第16回国際度量衡委員会(CPGM)が標準化し、最大視感度である555nmでは『Km=683lm/W』などと決めました。
ここで、代表的なレッドとグリーンの波長のレーザーポインター を表にして整理しt。
レッド |
グリーン |
波長(nm) |
650 |
635 |
555 |
532 |
Km(lm/W) |
70 |
141 |
683 |
580 |
例えば、 出力1mW、ビーム径5mmとして、レッドレーザーポインター(650nmを適用)とグリーンレーザーポインター(532nm)のそれぞれの照度を計算してみましょう。
■レッドレーザーポインター(650nm):70(lm/W) x 1 x 10-3(W) / (19.625 x 10-6(m㎡) ) = 3,570(lx)
■グリーンレーザーポインター(532nm):580(lm/W) x 1(mW) x 10-3 / (19.625(m㎡) x 10-6) = 29,600 (lx)
市販されているレーザーポインターは1mWを超えてはいけない為、出力は1mWの6~7掛けで調整されているのが普通です。
ですから上記の答えに6掛けで考えると、実際のレーザーポインターの照度(=明るさ)がわかります。
更に計算するとレッドレーザーポインターの期待値は2,142lx、グリーンレーザーポインターの期待値は17,760lxとなります。
具体的な照度がわかったとしても・・・。
今度は・・・「でもそれは、どれくらい明るいの?」って更にわからなくなっていませんか??
こう言う時は、何か知っている事と比べるのが一番です。
その比較の為に、身の回りの明るさの目安を整理してみました。
太陽の日差しの明るさ |
30,000 - 100,000 lx |
リゾート地での屋外の明るさ |
12,000 lx |
日中の日陰での明るさ |
10,000 lx |
公園のベンチ |
4,000 lx |
店舗などの明るい屋内での明るさ |
500-700 lx |
オフィスでの明るさ |
500 lx |
日没時の明るさ |
400 lx |
一般の家庭用蛍光灯下での明るさ |
300 lx |
バーの暗さ |
10 lx |
満月時0夜間の暗さ |
0.2 lx |
一般のプラズマTVの明るさ |
15,705 - 24,430 lx |
一般の液晶TVの明るさ |
7,853 - 10,470 lx |
一般のプロジェクター(42インチサイズに投影時)の明るさ |
3,043 - 7,101 lx |
上記からすると、1mWのグリーンレーザーポインターは弱い太陽光と同じくらい眩しい事になりますから驚きです!
(まあ、レーザーポインターを照射するターゲットの性質の反射によっても異なるのですが)
・・・と、色々な要素があるのですが、これくらいレーザーポインターは明るいのです!!
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