レインボーカラーと言えば綺麗な7色でできた有名なカラーデザインです。
・・・でも、ちょっと落ち着いて考えてください。
虹は本当に7色なのでしょうか?
太陽光は満遍なく全ての波長を持っています。(だから白く見えるのです)
小学校の理科の実験などで見た事があると思いますが、太陽光をプリズムに通すとそれぞれの波長が分光されて虹のように見えます。
波長はそれぞれに異なった固有の屈折率を持ってるので、プリズムがそれぞれの波長をそれぞれ固有の角度へと曲げ、それぞれの波長の光路へと分かれるのです。
波長は短ければ短いほど曲がり易い(屈折率が大きい)ので紫っぽい波長群は一番下になり、波長の長い赤っぽいのは一番上へと分かれるのです。
雨上がりなどの綺麗な空では、大気中の水分が自然のプリズムとして働くので、理科の実験と同じように太陽光を分光します。
この自然現象を見て私達は”虹”と呼んでいる訳です。
ちなみに虹の帯色の順番はプリズムと同じで、下から『紫→藍→青→緑→黄→橙→赤』という7色の順番になります・・・
”主虹”とは上記の様な順番でハッキリと見える通常の虹の方の事です。
しかし天気が良いと”主虹”の上に”副虹”が見える事があります。
主虹は自然のプリズムで1回しか反射していないのですが、副虹は2回反射されるので淡く、また帯色の順番は主虹と真逆になるのです・・・。
・・・はい、ここで最初の質問の関連に戻ります。
あなたには、本当に虹が7色に見えていますか??
太陽光は満遍なく全ての波長を持っているので、分光された波長が7つしかない訳ありません。
太陽という全ての波長を持っている光源から分光しても、それは連続するスペクトルなので、”紫”からいきなり”藍”などとハッキリと分かれるわけでは無く、紫紫藍、紫藍藍・・・藍藍紫のように、間には無限のグラディエーションが存在します。
つまり虹の色数は無限なのです!
じゃあなぜ、私達は”虹は7色”と答えてしまうのでしょうか?
それは小さい頃から”虹は7色”と教えられて育っているからで、その為に思い込んでしまっているだけなのです。
そもそも『虹は7色』と言い出したのは、かの有名なイギリスの科学者であるアイザック・ニュートンです。
彼はケンブリッジ大学でプリズムによって太陽光を分光研究し、その内容を1704年の著書「光学」の中に『虹は7色』と記したのです。
その当時、音楽は他の科学と並んで大変権威があるものだったそうです。
音楽ではド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シの7音階が基調となっているので、その『7』にこじつけてしまったと言うのは実しやかな説です。
それから何百年も、便宜的なのか『虹は7色』と言うのが通説になってしまい、今日でも様々な所で言い伝えられているのです。
その様な予備知識が無く「虹は何色?」って聞かれたら、やっぱり「虹は7色!」と元気良く答えてしまうのは普通なのでしょう。
色と言うのは不思議で、人によっても感じ方は異なり、そしてその伝え方は極めて難しいと思います。
多くの小さな子供は風景的な絵を描く時に、必ずと言っても良いほど、実物比からすれば異常に大きい太陽を描き、そしてその色はなぜか赤色で塗りつぶします。
因みに欧米人の瞳は藍色の認識が弱いせいなのか、虹に”藍”は無く、欧米では『虹は6色』と答える人も多いそうです。
そして太陽は黄色で塗りつぶすようです。
虹はなぜ7色に見える?・・・。
色は抽象的で極めて難しいので、教育、感性、目の特性によっても、特に”文字”に変換する時に大きく変わってしまうと言う、『光学的』と言うより『考学的』なお話でした。
因みに虹と言う自然現象以外でも、同様の分光現象は身の回りで簡単に見る事が出来ます。
何かの光源をCDの裏に当てると、分光され虹の様に見えます。
この基本原理も虹の発生と全く同じです。
レーザーなどの特殊な光源以外は、強弱はありますが様々な波長を持っている為、分光されると虹の様な現象が見えるのです。
その他にもシャボン玉の表面だとか、玉虫の羽だとか・・・色々と身近でも体験しているはずです。
そして因みの因みですが、レーザー光の様な単色光を当てても、元々1色の光しか無いので、分光はできなく光源色と同じ色が跳ね返って見えるだけとなります。
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