それは人を誘うように妖しげに光るからでは無いでしょうか?
クリスタルは美しいだけでなく、古来から人を守る神秘的な力が宿るとも言われ、長い歴史の中、多くの人に愛好されていました。
しかし、そもそも『クリスタル』とは何でしょうか?本来クリスタルとは、原子が規則的に配列された結晶構造を持つ物質を意味します。
つまり色や硬さなどにより、世の中には石英やダイアモンドなど様々なクリスタルが存在しているのです。
そしてクリスタルには天然のモノ以外に、人工の『クリスタルガラス』が存在します。
私達が一般にクリスタルと言っているのは、実はその『クリスタルガラス』の事なのです。そこで、クリスタルガラスについてもう少し掘り下げて説明をしましょう。
クリスタルガラスは普通のガラスと異なり、8%からの酸化鉛の含有率があり、標準的には24%ほどと言われてます。
もともとのガラス原料には色があります。
しかしそのガラスに酸化鉛を混ぜると、金属反応により無色透明と変化するのです。
単純には酸化鉛の含有率が高ければ高いほど透明度や光の屈折率・反射率が上がり、これがクリスタルガラスの美しさの秘密の一部なのです。
しかし鉛の含有率が高くなり過ぎると脆くなってしまう為、そのバランスはとても重要です。(美し過ぎる物は脆い訳です)
・・・でも実は、これだけでは皆さんが期待する綺麗なクリスタルガラスにはなりません。
綺麗なクリスタルガラスにするには、原料だけではなく『加工』 が更に重要となるのです。
クリスタルガラスは高いイメージがあると思いますが、原料は通常のガラスの数倍程度ほどしかしなく、実はこの精密を要する加工のコストが大半を占めているのです。
『スワロフスキー』って知っていますか?(これは今ではデコ系で超有名ですよね)オーストリアの光学メーカーで、ベルサイユ宮殿のシャンデリアパーツの再現を任されたワークは有名ですが、その製品は日本でもラインストーンなどで長い間流行しています。
高いだけあり、見る角度や光の反射加減により、他には無い虹色の美しい光を放ちます。
スワロフスキーでは酸化鉛の含有率が32%以上であり、また煌きを出す為のその加工の精密さには定評があります。
以前は手加工が中心だったようですが、1万倍のスピードで加工できる機械を開発し、品質‐技術‐生産体性でゆるぎない世界No.1の地位を手にしたのです。
『バカラ』って知っていますか?
こちらはフランスのメーカーです。
バカラの場合は酸化鉛の含有率が30%と言う事ですが、その職人的な装飾の技術には目を見張るものがあります。
グラヴィール(彫刻)やエッチング(酸で腐食させる)の技術を活かした美しい模様がある、セクシーな洗練された造形美を持つグラスは至る所で絶賛されています。
独特の原料の配合により、そのグラスで乾杯した時に奏でられる響きは絶品の付加価値を感じさせられます。
『クリスタル』の美しさの源は『光』なのですが、その光を活かすのは素材の透明度や屈折率、そして精密な加工の賜物な訳です。
関連する他のオススメ記事
同じカテゴリー内の記事←前 虹はなぜ7色に見える? 光の色々な性質 次→ |
どうせ買うなら安心の専門店で! ![]() |