色は人の感覚を左右する不思議な力を持っています。
波長(短い順に紫→青→緑→橙→赤など)や、明度(明るい⇔暗い)だけでなく、人は今までの経験と総合して頭の中で無意識に「この色は・・・」と判断してしまうようです。
その中でも代表的なのが、『寒色』や『暖色』の違い。
『寒色』には青や緑などの短波長側の色、『暖色』には赤や橙などの長波長側の色が含まれます。
ここではその2つの違いにより人間がどうしても感じてしまう、『勘違い』をご紹介します。
何と、温度的な違い以外にも色々とあるのですよ!
■温度
『寒色』とは文字通り人が寒く感じる色であり、『暖色』とは暖かく感じる色です。(上の様に文字色を変えるだけで、何となくそんな風に感じませんか?)
不思議な事に人は、寒色と暖色では感覚的に2~3℃も異なって感じるそうです。
ある刑務所では暑い暑いとのクレームが、内壁を青く塗り替えただけで皆が満足したと言う笑い話の様な本当の話があります。
夏の暑い時には寒色系、冬の寒い時には暖色系と内装を変えれば、エアコン代は2~3℃分浮きそうですね!?
■距離
寒色系の物体と暖色系の物体は、例え同じ距離にあっても寒色系の物体の方がより遠くに感じられます。この様に遠くに感じられる色は『後退色』と呼ばれ、逆に近くに感じられる色は『進出色』と呼ばれます。
右の画像を見てどう感じますか?
見る角度やディスプレイに因る所も大きいのですが、色を変化させただけのデジタル画像が、特に右上の方から見ると赤の点が出っ張って見えませんか??
実際、青い車は実際よりも遠くに感じてしまうせいなのか、データ的に事故にあう確率が高いと言うことなので要注意です。
■時間
寒色系の環境下では、人は実際の半分ほどの短い時間しか感じないそうです。ある実験で寒色系の部屋で会議をさせた所、会議に参加したほぼ全ての人が実際にかかった半分ほどの時間しか感じなく、逆に暖色系では実際の2倍ほどの時間を感じたと言う事です。
幸せなど長く感じたい場合は暖色系を、早く終わりたいと思う(感じたい)場合は寒色系と使い分けをしたらいかがでしょうか??
■感情
寒色系は鎮静効果があり、落ち着いて物事に取り組め、疲れ辛いと言われています。逆に暖色系は興奮作用があると言われています。
体温や血圧を上昇させ、呼吸を早くしますので疲れ易くなってしまいます。
特に赤は炎なども連想させ、何か本能に火がつくような感じがあるかと思います。
■味覚
暖色系の色は空腹感を呼び起こし、食欲と消化を促進すると言われています。確かに街を見渡せば、飲食店の看板や内装には特に橙が使われているのが目に付くでしょう。
逆に寒色系の色は食欲を減退させると言われています。
イメージしても、例えば色鮮やかな青と黄色の熱帯魚を見ても、「おいしそうっ!」と思うでしょうか?
しかしこれらは、私達が今までの生活で経験した『頭の中のおいしいものデータベース』によるもので、直接的には関係無いのかもしれません。
またそれ以外にも、人間の目(脳)は、暖色に関して注意を払いやすく、寒色はあまり気に留めないと言う性質もある様です。
これは原始時代からの習性で、熟した果実や赤身を生き残る糧にしていた名残なのかもしれません。
どうです・・・?
人間は色によりコロッと騙され易い、勘違いしてしまう生き物なんですね。
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