今や調べ物があると、『取り敢えずPCを開きインターネットでキーワードを入れて検索する』と言うライフスタイルはかなり浸透しているのでは無いでしょうか。
インターネットはボーダーレスの世界で、日本の居間にいながらでも世界中の膨大な情報を瞬時に取得する事が可能です。
・・・で、それで気付いてしまうのは、「何で海外で売っているレーザーポインターはあんなに安いんだ!!」と言う紛れも無い事実です。
「どうにか個人輸入で海外のを購入できないかな・・・」などと考えた事がある人は多いのでは無いでしょうか?
でも、「ちょっと待って下さい!」。
全てのモノには『理由』がある筈です!
そこでここでは『海外の商品はなぜ安いのか?』 、『国内の商品の商品はなぜ高いのか?』、その『なぜ?』についての理由を説明したいと思います。
1)製造に関するコスト高
日本で販売されているレーザーポインターは、海外で販売されている商品よりも抜群に安全への配慮がされています。これは今迄の事故や事件に対して、日本の行政だけが素早く対応した成果だとも言い換えられます。
(日本以外でこの様に厳しく、国としてレーザーポインターなどを規制しているのは恐らく独国のTUVくらいでしょう。)
日本では消費生活用製品安全法の特別特定製品に指定する事により、仕様や構造に対して厳しい要求がなされています。
商品の設計に対する認証と、実際に安定して製造が出来る体制があるかを事前に調査され、認証を取得しなければなりません。
そして製造毎に検査結果をキチンと記録する事も義務付けられています。
つまりこれらの管理にイニシャルコストやランニングコストが取られる為に、海外で販売されているレーザーポインターよりも高くなってしまうのです。
(簡単に言えば、海外向けのレーザーポインターは誰でも好きな様に製造できる訳です)
だから、日本で販売されているレーザーポインターは、『世界で一番安心できるレーザーポインター』と胸を張って言えると思います。
2)設計に対するコスト高
自社的な安全配慮と言うのも勿論必要なのでしょうが、日本では法律でのガイドラインがある為、それに従わなければなりません。そしてその中の技術上の基準として安全回路、単一故障モードに対応した『出力安定化回路の装備』と言うのがあります。
この回路のお陰で、日本のレーザーポインターは『被爆放出限界(Accessible Emission Limit:AEL)』を超える事は無く安全なのです。
しかしながら、これに因り回路自体が複雑化するだけでなく、実は電気的な全体のバランスの調整が難しくなります。
レッドレーザーポインターはほとんど問題にはならないのですが、グリーンレーザーポインターにはこれがクリティカルに利いてきます。
(だから法律に準拠したグリーンレーザーポインターは難しいのです)
光源であるLD(レーザーダイオード)は一般的に光読み取りディスク用などとして開発された部材であるので、数mWの出力があるのを、安全を考慮して『わざわざ出力を殺す(=制限する)』事をしているのです。
(そのままの出力を利用する方が断然簡単な訳です)
また、『通電表示』をする為に、見易い位置に電源がONになった時に点灯するランプの様な表示も必要とされています。
その為、設計上でも海外のレーザーポインターと比べるとコスト高になっているのです。
これらは日本では安全上に必要と考えられている為に法律で謳われているのですが、恐らく海外ではここまで配慮はされていない事でしょう。
だから、日本で販売されているレーザーポインターは、『世界で一番安全なレーザーポインター』と胸を張って言えると思います。
3) 検査でのコスト高
欧米向けの商品は、日本ほど品質に神経を尖らせていません。例えば海外で不良品に当たってしまったとしても、海外の消費者はただ単に代替品を要求するだけです。
だから売る方としても、その様な所にあまりコストをかけたりはしないのが一般なのです。
日本では不良が発生した時にどうなる可能性があるでしょうか?
「おたくの品質管理は一体どうなってるの?」とか「店長を出せ!」などと言う叱咤激励が在り得ますよね・・・。
これが大きなコスト体質の分かれ目なのです。
万に一つの不良が容認されるのであれば、品質管理費用と言うのは断然安くなります。
(但し、それが『万に一つ』しかなかったと立証する義務が発生するでしょうが。)
(『万に一つ』を目指すと、たいてい『千に一つ』程になってしまうでしょうが。)
日本向けには全品検品するのが普通かもしれませんが、海外向けだと良くても抜き取り、悪ければ一切何も検査してない場合もあります。
性能や仕様などに関しては、世界各国『不良の定義』はほぼ同じだと思われます。
しかしよくある揉め事なのですが、『海外では不良では無いのに、日本では不良と認識される』一番大きなポイントはどこでしょうか?
・・・『性能や仕様などの様に数値化出来ない曖昧な所』 です。
この中で一番わかり易い例は、きっと『概観基準』でしょう。これは見た目なので、極めて数値化し辛いポイントです。
日本国内では「ほら、ここに小さな傷がついてるでしょっ!」と言う虫眼鏡で見た方が良いほど小さな傷でもクレームは想定されます。(中には”全く”気にならない人もいるのでしょうが・・・)
だから実際に、虫眼鏡の様な拡大鏡で本当に小さな概観不良も選別しているのです。
基準としてあれば、検査ではそれ”以下”で選別をしなければいけないので歩留まりが悪くなってしまうのです。(実際の消費者のニーズとかけ離れて、過剰品質になる可能性も孕んでしまいます。)
そんな小さな傷は、その後の輸送段階でまたつくかもしれないので・・・梱包形態などにもコストがかかってしまうのです。
価値観が違う海外のメーカーにそんなクレームをつけたとしても、「でも、全然使えるでしょ???」と何がクレームポイントなのか理解さえしてもらえない事が多々あります。
検査の点では海外では歩留まりが限りなく100%になるのに対し、日本向けにはある程度の歩留まりが悪くなるので、その分は『余分なコスト』になってしまうのです。
消費者にとって本当に何が良いのか、本当に何が必要で何が不要なのか、相談出来る仕組みがあれば双方ともHappyになれるのは間違いありません。
しかし商品によっては幅広い知識の習得が必要とされるので、実現はなかなか難しいかもしれません。
日本のQC(=Quality Control:品質管理)と言うのは、世界でも群を抜いています。
高い理由はその『QCの費用』、これにより『安全と安心』を買っていると、何とか納得をして下さい。
レーザーポインターの提供側としても、『中立的に』この様な情報を出来るだけわかり易く説明をする様に努力をしていきます!
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