『光速度』とは書いて字の如く、光の速度の事です。
光速度は全ての中で最も早い速度どされています。
しかしながら光の速度は、屈折率により変わるので環境下によって異なります。
一般的に光速度として知られているのは真空中の約30万Km/秒では無いでしょうか?(真空中では屈折率が1.00の為、光は最速で動く事が出来ます。)
地球1周を約4万kmとした時、『光は1秒間に地球を7回り半』出来る事になります。
細かく言うと光は様々な波長の集合体で、それぞれの波長毎に屈折率が異なるので、ここでは可視光の大体真ん中の波長であるオレンジの589.3nmでの屈折率を代表例として説明していきます。
まず、屈折率が大きくなればなるほど遅くなります。
例えば空気の屈折率は1.00029なので、真空中よりも空気中の光若干だけ遅くなります。
水の屈折率は1.33なので、水中での光速度は約22.5万km/秒と25%ほど遅くなります。
ダイアモンドの屈折率は2.42にもなるので、光速度は真空中の半分以下の約12.4万km/秒となってしまい、実はこれがダイアモンドが美しい秘密の一つである様です。
上記は小学校の頃に習う、誰でも知っている等式です。
私達の通常の感覚では『空間(=距離)』や『時間』は不変です。
しかしドイツの物理学の大天才、かのアルベルト・アインシュタインは『光(=光速度)だけが不変』と考えていました。
そして空間や時間は不変ではなく、例えば光速度付近では長さは縮んだり、時間は遅れたりすると提唱したのです。
ここでは光速度に関わる雑学として、『光』と『距離(空間)』と『時間』の関係を少しお話したいと思います。
1)光の話
20世紀にアインシュタインは彼の相対性理論において、光速度は常に一定であり、全ての事象は光速度を越える事はできないと提唱しました。またアイザック・ニュートンが提唱した説の時間や空間の限界を疑い、時間や空間は絶対的な基準にはなりえず、光速度が唯一の絶対的な不変の基準だと訴えました。
2)距離(空間)の話
距離を表すm(メートル)と言う単位は、18世紀当時、世界中の国毎にマチマチとあった単位を統一する目的で提案されました。そしてその当時は、『地球の北極から赤道までの子午線の長さの1000万分の1が1メートル』と規定をされたのです。
勿論、実際の北極から子午線までの長さを測定するのは不可能な為、三角測量の技法などを用い測定できる限りを測定し、そのデータを基に算出して『メートル原器』と言うものを作り、これを当初は基準としたのでした。
しかしメートル原器が一つだけでは不便極まりないので、それを元にメートル原器を量産して各国で基準としたのです。
しかしご想像の通り、これらの量産品は全く同じ寸法ではなかったので様々なトラブルが発生してしまいました。
そして苦慮の末、その中から選りすぐって『国際メートル原器』などと言う物を制定したのです。
・・・しばらく後に科学が発達し、更に精密な測定が出来るようになりました。
そこで判明したのが、その国際メートル原器が基の規定である『地球の北極から赤道までの子午線の長さの1000万分の1』とは異なると言う事実でした!
そして結果的には、『上述の子午線の1000万分の1が1メートル』ではなく、『国際メートル原器が1m』の基準と『メートル条約』として国際的に制定されたのが19世紀の事でした。
・・・しかし更に進んだ20世紀においては、距離の測定精度に完全な信頼がおけない事を考慮して、国際度量衡総会にて、精度に信頼がおける光速度を基準に変更し、現在では『光が真空中で進む(1/299,792,458)秒距離が1メートル』と制定し直されたのです。
3)時間の話
時間の制定も、距離と同じような経緯を辿っています。時間の基準とされたのは『日』でした。
当初は『1日は太陽が子午線を通過してから次に通過するまでの時間』としていたのです。
そしてそれを細分化し1日=24時間とし、更に1時間=60分、1分=60秒と定義していったのです。
しかしながら、地球の太陽に対する公転軌道は楕円形なので、1年を通して1日の時間は変化しているのです。
しかも地球は太陽に年々近づき続けている為、この『年』自体も微妙に変化し続けているのです・・・。
そこで1956年に、『1900年1月0日12時における回帰年の(1/31,566,925.9747)が1秒』と制定し直されました。
つまり年さえも変化する事を考慮し、特定の日での『年』を基準に時間を制定したのです。
しかしこれでは何が何だかわかり辛いですし、そもそも確認が難し過ぎます。
そこで1967年の国際度量衡総会において、『セシウム133の特定放射の9,192,631,770周期分の時間が1秒』と量子力学的に制定されたのです。
(セシウム原子の超微細準位間のエネルギー差による遷移によって出てくる光の振動の回数が、9,192,631,770となった時間が1秒と言う事です。)
4)結論
またあの等式を再び考えてましょう。『速度 = 距離 / 時間』
上記からわかるように距離も時間も光を基準に決められています。
今までの経験からすると速度は変化しても、空間や時間は変化しないと思い込んでいました。
真空中の光速度が30万km/秒なのであれば、
・30万kmとは光が真空中に1秒間で進む距離
・1秒とは光が真空中で30万km進むのに要する時間
と認識し直すのが、どうやら正解の様ですね・・・。
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