固体レーザーと言えばこの『ネオジウムレーザー』を指すくらい、『Neodymium(ネオジウム)』を発光原子とするレーザーは実に様々な所で活躍をしています。
ネオジウムレーザーのネオジウムの母体には、『YAG』や『YLF』や『YVO4』 などの種類があります。
母体が変われば若干異なるのですが、ネオジウム発光原子は凡そ1,064nm(=1.06μm)の波長の光を出します。
まずその中でも代表的な『YAG』ですが、この聞きなれない言葉は何を意味しているのでしょうか?
『YAG』とは、『Yttrium(イットリウム)』と『Aluminium(アルミニウム)』 と『Garnet(ガーネット)』と言う使用している三つの結晶のイニシャルから名付けられています。
(『YLF』は『Yttrium』と『Llithium(リチウム)』と『Fluoride(フッ化物)』で、『YVO4』は『Yttrium』と『Vanadate(バナジウム酸塩)』のイニシャルです。)
そのYAGの結晶とネオジウムを混在させて、『Nd:YAG』としたレーザー媒質を用いたレーザーが『Nd:YAGレーザー』と呼ばれます。
Nd:YAGのレーザー媒質をクリプトンなどのアークランプで連続的に励起すると、Nd:YAGレーザーとしてもCW発振となります。
そしてキセノンなどのフラッシュランプでの励起ではパルス発振と、両方の発振性質を持ち合わせています。
このCW発振も、実はAO素子(Acousto Optic Element)などでパルス化する事が出来ます。
パルス発振を更にEO素子(Electro Optic Element)などで『ジャイアントパルス』を作り、極めて出力を大きくしたタイプもあります。
パルス幅も『Qスイッチ法』などでナノ秒オーダーまで短くする事が出来、これによりピークパワーの高いエネルギーを得る事が出来ます。
発振波長は基本波で1,064nm(1.064μm)付近の近赤外域であり、これに非線形結晶を用いて第二高調波(SHG)をとると532nmと言うグリーンの可視光が、第三高調波(THG)では紫外域の355nm、第四高調波(FHG)では266nmの波長を得る事が出来るのです。
目的とするアプリケーションにより、この様に必要な発振形態や波長などが色々と選べ、しかも高出力、高ピークパワーを得られるので、ネオジウムレーザーは色々な所で重宝されているのです。
関連する他のオススメ記事
同じカテゴリー内の記事 |
どうせ買うなら安心の専門店で! |