グリーンレーザーポインターはどれくらい見易いの?
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よくネット上でも『グリーンレーザーポインターは8倍明るい』とか派手に宣伝されてますが本当なのでしょうか?
(たまに、何を根拠にか『50倍明るい!』とかとてつもない値を表示している所もありますが・・・)
よく、こんな画像で比較されていますよね?
以前の主流はレッドレーザーポインターで、その波長は700nm近辺から、670nm、650nm、635nmなどと赤色の範囲内で段々短くなってきています。
そしてそこから一足飛びに、532nmと言う緑色の範囲のグリーンレーザーポインターが登場したのです。
実は人間の眼は、光の波長(=人間が色と感じる)により認識する感度が異なります。
その波長に対する眼の感度(=即ち見え易さ)を『視感度』と呼びます。
この『視感度』が所謂『見え易さ』なのです!
その視感度は緑色の範囲の中の波長555nmでピークとなり、これを『最大視感度』と言います。
最大視感度の555nm前後の波長では、視感度は下の表の様にカーブを描いて弱くなっていくのです。
この最大視感度を基準にした、それぞれの波長での見え易さの相対値は『比視感度』と呼ばれ、これは”国際照明委員会(CIE)”が1924年に定めたものです。
レーザーポインターの波長を中心に抜き出して比べてみましょう。
色 |
レッドレーザー |
最大視感度 |
グリーンレーザー |
||
波長 |
670nm |
650nm |
635nm |
555nm |
532nm |
視感度 |
1 |
3 |
6 |
29 |
24 |
.
現状のレーザーポインターの波長の中では、グリーンの532nmが最大視感度である555nmに最も近い為、比視感度が最も高くなるのです!レッドレーザーの標準的な波長である650nmと比較すると、グリーンレーザーの532nmは比視感度の比率で8倍!
これが『グリーンレーザーポインターは8倍見易い』と言うキャッチコピーの根拠なのです!!
『8倍視感度が高い』=『8倍明るく感じる』=『8倍見易い』と言う訳です。
しかし『視感度 』と言うのは、実は個人差や環境下で変わります。
(だから上表の様に細かく見ると『標準視感度』と言う語句が使われるのです。)
ではどういう条件で『視感度 』(=見え易さ)は変わるのでしょうか?
1)周囲の明暗
明るい場所での視感度は『明視感度』と呼ばれ555nmで最高です。これは錯体ピークと一致し、『錯体視』とも呼ばれます。
暗い場所での視感度である『暗所比視感度』では510nmへと最高感度の波長は短くなります。これは杵体ピークと一致し、『杵体視』とも呼ばれます。
2)性別による目の性質の違い
日本人の男性と女性を比べると、男性は『赤や緑の混じった特定の波長の色の差』を感じにくいのです。
3)人種による目の性質の違い
これは人種による眼の中のメラニン色素の量の違いによる問題なのですが、メラニン色素が少なく瞳の色がブルーなどと薄いと、瞳の色が濃い人よりも暗視が利き、色の感じ方も違うと言う諸説があります。
4)年齢による目の性質の変化
若者は相対的に青い短い波長を認識し易く、老人は赤い長い波長が認識し易くなります。
5)先天的な目の性質
『色覚障害』とも呼ばれる『色盲』のタイプにより、長い赤い波長が認識し辛かったり、短い青い波長が認識し辛いと言う事があります。
最大視感度は555nm付近で、ほぼ変わりません。
他にもあるのかもしれませんが、これらを考慮して話すのは非常に複雑な為、一般的には『標準視感度』で話をする訳です。
更に対象物との対比によっても異なる場合がありえます。
背景が赤の場合は、レッドレーザーでは見辛いのは当たり前で、逆に補色のグリーンレーザーだとかなりハッキリと見えます。
勿論、その逆もまた然りです。
・・・と、逆に色々と知り過ぎてしまうと複雑になり過ぎ、何がなんだかわからなくなってしまいます。
だから、単純に覚えておいてください!
やっぱり見易いですよ、グリーンレーザーポインターは、と。
使ってみれば一目瞭然ですので、機会があれば是非是非!
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