人間の眼はとても高性能です。
それが故に、普段は意識していないでしょうが、明暗や色以外にも、人間の目からは様々な情報が入ってきています。
形状、質感、位置、運動など・・・・膨大な情報を瞬時に処理しようとするのですが、あなたの脳のCPUは追いついているでしょうか?そしてそれを格納するメモリーの書き込みのスピードはどうでしょうか?
『目からは入ってきているけれども、正しく認識していない(見えてない)』と言う状況は、情報量と脳のCPUのバランス次第で簡単に起きてしまうのです。
それだけでなく、人間は実際に見えているモノだけでなく、過去の経験や知識などから見えないモノを考えてしまう癖があるのです。
人間の脳は、見えてるはずのモノをマイナスしてしまったり、見えないモノをプラスしてしまったりするのです・・・。
例えばこんな実験をしてみましょう。
「部屋の中を10秒間ぐるーっと見回してください。」
「○○は××でしたか?」
・・・よほど部屋にモノが少なくて且つ整理されているか、記憶力が抜群に良くなければまず答えられないでしょう。
「部屋の中をぐるーっと見回して、緑色のモノを見つけてください。」
・・・どうです?見えるモノが変わってきませんか??
今度は逆に緑色のモノばかりが目に入ってくる訳です。
これは『Color Bath(カラーバス)効果』と呼ばれ、色だけでなく、意識してしまうと人間の脳は情報の取捨選択を激しくする様になるのです。
(不景気と思えば、何でもかんでも不景気に見えてしまうのもこの効果です。)
目から入ってくる情報と言うのは膨大なので、見えていると思っているものは、興味が元々あるか、注意して見ようと思っているものかだけなのです。
リアルタイムで見ていてもそうなので、更に記憶になると曖昧になってもしかたないでしょう。
映画の法廷のシーンの様に、例えばあなたは証人として証言台に立っているとしましょう。
多分、あなたは幾らか緊張してしまっている事でしょう・・・。
検事とあなたは幾らかやり取りをした後に、検事はこう切り出します。
「あなたは自分の記憶に自信があると言いましたが・・・」と言った直後にくるっと背を向けて、「では私のネクタイの色は何色だったか覚えていますか?」。
そしてそれからあなたには、検事が意地悪な鬼の様な顔として見えてしまう事でしょう・・・。
感情や健康状態もあなたの視覚を左右してしまうものです。
『ありのままを見る』と言うのは、実は本当に難しいのです。
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